NPO法人 CaPSAY

 

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イソじいのキャリア相談室は、毎週水・金・土曜日午後2時半~5時半に開室します。ご予約の上ご来室ください。 
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相談者:大学3回生 女性

内  容:いよいよ就活の時期になってきたが、どういった 事があるか、就活はどうしたらいいのか。

 間もなく4回生になりいよいよ就活も本番になってきたが、自分に合った職業はどういったのがあるか、仕事の探し方や就活の仕方が分からない。父親の仕事の関係でデンマークに半年間住んで、現地の高校に留学した。希望の業界は出版、インテリア、ホテル、アパレルなど。人とのコミュニケーションが好きで、人と関わる仕事がしたい。数字や計算は苦手で大嫌い、大企業にはこだわらないがインテリアのI社にはエントリーをしている、という学生からの相談です。

 

 自分の意志をはっきりと伝えてくれて、たぶん留学の時の良い印象もあってI社にエントリーしたのでしょう。自分らしく生きておられて十分このままでも、良い就活をされると思います。きっと自分らしさを見失うことなく学校から社会への転機を乗り越えていかれることでしょう。

 そのうえで、より自分らしさをクリアにするために、自己理解を深めてみてはいかがでしょうか。私は、学校から社会への転機にあたって自己理解のポイントは3つあると思います。

 第1は、自分の興味・関心です。人にはそれぞれ興味や関心があるでしょう。音楽や芸術が好きだとか古文書や古美術を見たりさらにはそれらを読み解いたりするのが好き、それらが自分の職業に繋がっていくのが本当は自然なことではありませんか。京都には古文書や古美術に関わっている企業や官民の資料館や博物館も比較的多くあります。鉄道が好きな“テッチャン”“テツコサン”がJRや鉄道会社にあこがれるのも自然なことではないでしょうか。自分の興味や関心は何だろう、と就活にあたって自分を振り返り自分らしさにこだわってみるのも大事ではないかと思います。

 第2には、能力・適性です。決めた目標に向かって粘り強く頑張る強い精神力があるとか、仕事は計画と段取りをきっちりして丁寧に仕事をやり遂げる几帳面さがあり実務や事務仕事は好きで得意とか、ものづくりをすると独創的なものを作り上げるとか、人それぞれの能力や適性があります。但し、能力・適性は自分のことであって、素晴らしい能力・適性であっても自分ではそれが当たり前のことなので気付かないことが良くあります。スーパーアスリートがストイックにトレーニングに打ち込んでいて、人から見れば尊敬するほどすごいことでも、本人にとっては当たり前ということもよくあることです。自己PRシートを見ると「僕は、私は毎日一生懸命に練習を続けてきました。」と書いてありますが、それがどんなにすごいことか、意外と本人は自覚していないこともあります。自分の能力・適性を理解するのには、親や家族、友人や先生など身近な人に自分のことを聞いてみるのも良いかもしれません。

 第3には、価値観です。例えば正義感の強い人が体を張って災害や救難支援で困っている人を支援するために自衛隊に入隊するのは使命感に燃えた素晴らしいことではないでしょうか。人の幸せをプロデュースしたいと思っている人が、ブライダルやサービスの仕事、対人支援サービスの仕事を目指すのも、自分らしく生きる仕事選びの実践ではないでしょうか。

 

 少し理屈っぽくなりましたが、そういうことで自己理解を少し深めてみて、学校から社会への転機の方向を搾ってみることも考えられたらいかがでしょうかと話しました。就職というのは自分と企業や企業家との新しいマッチングなのだから、また社会人として『生きていく』実践なのだからすべてがイメージや思いの通りではないでしょうが、『新卒』という(日本独特の)チャンスですので焦ることなく逆に自分のペースで『腰を据えて』ゆっくりと就活を楽しんではいかがでしょか。  (文責:イソじい)

相談者:大学4回生

内 容:内定先の会社に内定承諾書を出したが、就活を続けてもよいか。

 「大学への求人でなかなか内定がもらえなかったが、ようやくリフォームの会社から内定を貰いました。人の役に立つ仕事がしたかったので、リフォームは自分では合った仕事だと思っています。ところが親がインターネットで会社の情報を見てブラック企業ではないかと言います。その会社には内定承諾書を提出しましたが、親の心配も考えて、就活を続けようかと思いますが、内定承諾書を出した後でも大丈夫でしょうか。」といった相談です。

 

 今年は採用活動の後ろ倒しで、「売り手市場」などと言われていますが、実際は厳選採用で厳しい就活を乗り越えて内定を得て、本当によかったですね。おめでとうございます。

内定を貰い、内定承諾書を出した後でも就活を続けて大丈夫か、といった相談はここ数年かなり増えてきています。企業が内定者を囲い込むために内定承諾書(あるいは誓約書、宣誓書などで、保証人を求める場合もあります。)の提出を求めるケースが最近かなり増えてきています。

 しかし学生の皆さん方は、いろんな理由により就活を続けたい場合が当然あります。例えば「本命でない会社、滑り止めの会社から内定を貰った」「社名をよく聞く会社だから応募したが、本当にその仕事がしたいのかどうかよく分からない」「内定は貰ったが、ブラック企業のうわさが絶えない」とか「せっかく頑張って内定を貰ったけれど何かしっくりこない」など、不安や心配することは良くあります。就職はこれからの自分の長い人生に大きく関わってくることですし、もっともなことでしょう。終身雇用、年功序列、企業内組合といった日本型雇用関係が大きく揺らいできていて、有名ブランド企業だからと言って安心して一生のライフキャリが保証される時代でもなくなっています。どんな会社に入社してどんな仕事をするのかは、自分が納得いくまで考えていきたいものです。そのためには自分の興味・関心、能力・適性、価値観などをもう一度理解することも大切かもしれません(そのことは『自己理解の仕方』の質問に対する話の時に触れます)。

 さて、内定承諾書等の提出を求められた場合、断るというのはよほどのことが無い限り難しいでしょう。自分が志望して採用選考に臨み幸いにも内定を貰った会社ですので、本音のところではいろんな思いや不安があっても、表向きは内定を辞退するというのも不自然なことです。

第1のポイントは、内定承諾を口頭でした後あるいは内定承諾書を提出した後で、内定辞退することの法的な問題でしょうか。まず内定辞退は法的になんら問題ありません。民法の627条に『労働契約の解約』について書かれています。内定を承諾した、あるいは内定承諾書が会社に届いた時点で『労働契約』あるいはその予約の成立とみなされます。しかしこの労働契約は被雇用者(労働者)が契約解除の2週間前に内定辞退の意思表示をすれば解約されるということです。従って内定にともない金銭的な供与を会社から受けていなければ、なんら『損害賠償』とかの責任も、保証人を立てていても保証債務も発生しません。

第2のポイントは、内定先の会社特に担当者との関係でしょう。『オワハラ』などの話もよく聞きます。何もなくすんなりと内定辞退を認めてくれるケースが多いですが、嫌みの一言やぶっきらぼうな暴言を言う担当者もいます。相手の会社も担当者もそれぞれの感性や価値観を持っていますので、それはありうることだと思います。特に担当者となると貴方のエントリーシートを見て、面接をしてそのうえで高い評価をして貴方を採用するように上司に稟議し決裁を得ています。上司はさらに上位の上司に同様に稟議し決裁を得ています。だから内定を辞退することによって、直接の担当者をはじめとして社内で『顔を潰された』思いをする人が何人も出てきます。理不尽なハラスメントのような言動も、実は相手の立場からしてみると、『顔を潰された』ことに対する腹いせかもしれません。

内定を辞退するとき、当然のように権利意識を振りまいていうのは良くないと思います。『断られる』相手の立場もよく考え、何を言われても大人らしく丁重に失礼なくお断りするのが、マナーと思いますし、そのやり取りの経験が貴方を成長の方へ導くと思います。                                               (文責 イソじい)

相談者:大学生

内 容:内定先の会社がブラック企業ではないだろうか?「大学内での合同企業説明会で、金融・サービス業のE社から内定をもらい

    ました。職種は営業職で残業は無し。ノルマも無いとのことですが、噂によると新卒採用の社員の定着率は極端に低く10名以

    上の採用で例年残るのは一人か二人ということです。ブラック企業でないか心配で、ブラック企業の見分け方を知りたい。」

    といった相談。

 

 

 相談の内容は2点でした。内定先の企業がブラック企業かどうかということと、内定承諾後に他社への就活を続けてよいかということです。実は、8月上旬にも別の男子学生から同様の相談があり、そこで今回はブラック企業の見分け方ということでの相談への対応を主に紹介します。

 相談者は外国人留学生で、日本企業への就職希望です。言葉や母国の国情による就活のハンデを乗り越えて、念願の日本企業に内定した大変な努力家で、日本で就職してからも頑張ろうと思っているので、なおさら安心して働けるかどうか心配なのでしょう。そこでまず、

 「あなたにとってブラック企業とは、どういった会社というイメージがありますか?」

 と尋ねました。すると、

 「ノルマが厳しく、残業が多くしかもサービス残業で、上司や先輩がきつく、社員の定着率が悪いといったイメージがあります。」

 と答えてくれました。一般に言われたり思われたりしているブラック企業のイメージでしょう。ブラック企業とは、最近では一般的に『労働者を徹底的に絞り尽し、使い尽し挙句使い捨てにしてしまう企業』といわれています。厚労省でもブラック企業という言い方ではありませんが『労働者の使い捨てが疑われる企業』などと言っています。ところが一部では『ブラック企業かどうかは個人の価値観。ブラック企業なんて無い』等という説もありますが、しかしブラック企業は現実に存在します。その特徴は第1に違法・脱法類似行為(残業代不払い、最低賃金を守らない、求人票記載と実際の労働条件が違う等々)。第2にモラル・ハザード(セクハラ、パワハラ、マタハラ、いじめ、暴力等々)。第3に労働者の人格破壊を厭わないプレッシャーを掛け、自己トレーニングや自己啓発と称した人格破壊を強要。等これらを会社ぐるみで、あるいは社長が率先して行うといった特徴があり、それぞれが複合する場合が多いでしょう。

 ブラック企業に入社するかどうかは、それこそ個人の価値観もあるでしょう。また分かってはいても個人の経済的、社会的諸事情から入社せざるを得ないといった『泣き寝入り』もあるでしょうが、最終的にはご自分の判断となります。その際、ブラック企業かどうかを判断するポイントはいくつかありますので紹介します。

 ①新入社員の離職率が異常に高い(例えば3年後の離職が70%)。②社員の平均給料が低い(例えば正社員35歳平均で250万円~300万円以下)。③有給休暇が法定通りか(入社半年後から7日以上)。④有給休暇の取得率。④従業員数と採用数(従業員数の25分の1くらいが伸びている会社です。普通は30から40分の1)。⑤労働組合の有無。⑥給料の中に固定残業代が含まれているかどうか、含まれている場合の基準残業時間数は。等々ありますが、仕事以外のライフキャリアにも関わりますし、せっかく就職しても退職すれば次の就職が大変なので、ご本人が気にかかることをクリアしておくことは大事なことだと思います。

 これらのいくつかは、『就職四季報』(東洋経済社)等でも調べられますが、ブラック企業が合わないのなら『ダメもと』で少し勇気を出して面接の時に会社の担当者に、判断するポイントを聞かれればいかがでしょうか。その答えや担当者の態度も参考にすればどうでしょうか。

 もう一つの相談であった内定後就活を続けていいかどうかの質問は、次回応えさせていただきます。                                 

(文責 イソじい)

 

相談者:保育士2名

内 容: 

 ハローワークの求人票では年間休日日数108日と書いてあるが平日と同じレベルで土曜保育をしていて、すべての土曜日にシフトが組まれる。園長に質問すると年間出勤表を見せられ、そこでは年間休日88日となっていた。また園長は「うちは1日の労働時間が7.5時間なので、労働基準法を守っている」というが、1日7.5時間なら1週間で45時間になるのでおかしい。さらに、主任が「7時からのシフトの人は6時15分には出勤して掃除や開園の準備をしなければならないわね。」などと言ってかなり執拗にプレッシャーをかけてくる。6時15分に出勤しても7時までの時間は超過勤務手当が出ない。その他諸々について、自分の子供と接する時間も無いし(1名はシングルマザー、1名は単身者)、もう身も心も持たない。どうしたら良いのかといった相談。

 

 子育てのプロで、立派に子育てをしてきている母親の知見を活かすベテランの保育士さんとして、情熱をもって保育に取り組もうとしておられます。それだけに憤懣やるかたないのでしょうか、人間関係のことや園長や主任の人物評ほか、社会福祉法人のあり方までいろいろ話していただきました。話を整理すると、①年間休日日数の虚偽記載、②1週40時間、36条協定の有無などの労働基準法違反の疑い、③サービス残業の強要、が問題と思われます。

 相談者に、

 「この場合、ブラック企業といっていいのかどうか少し判断しかねますが、①泣き寝入りして仕事を続けるか、②保育園を退職して転職するか、③職場を良くするために頑張ってみる、のうちどうするかということになるのではないでしょうか。」

 と話すと相談者は、理事長は現場を振り返らず経営のことしか考えてないし、主任は理事長のお気に入りだからどうしようもない、辞めるしかない。ということでした。ただ、悩みを話せる仲間がいるのだし、主任も実は大変まじめな人でとことん頑張り、責任感から保育士さんに執拗に早出(超勤手当なし)をお願いする個性の人かもしれないし、そのようなことは良くないことでしょうがたまにはあることだから、どうせなら『ダメもと』で園長に『こんなことでは良い保育はできない』と話すことも有りかなあとも思いますがいかがでしょうか、と話しました。

 合わせて、労働基準監督署には相談窓口があるので相談に行くこともどうかと尋ねましたが、時間が取れないとのこと。

 「それでは私の方で労働基準監督署に行って問題を整理しておき、必要となれば申告できるようにされますか、それでもいいですか。」

 と尋ねると、「そうして下さい。」とのことでした。

 私の方は、労働基準監督署に出向き、相談者の意向を伝え直接園長と話しても解決しない場合は相談者の意向によっては申告する旨を伝えました。

 相談者は後日、園長に年間休日と1週の労働時間とサービス残業の強要などの問題について、改善してほしいと話したところ、

 「ベテランでしっかり自分の考えを持った先生が辞められるのは園にとっても良くない。園長として理事長にも話して改善してもらうように努力する。」

 とのことでした。そして後日、園は保育士を募集し増員の手立てをしようとしているとのことでした。しばらくは様子を見ながら、頑張ってみるとのことです。                        

                                                 (文責 イソじい)